家・仕事・パートナーとの関係について、「こんなはずじゃなかった」と悩む人は、案外多いですよね。私自身も、過去長い間悩み続けたテーマです。長年の苦悩を乗り越えた今、これらはすべて自分がそれを望んだときの「動機」で決まると思っています。もしも今、現状に悩み不本意だと感じるのであれば、元々の動機を見つめ直すタイミングかもしれません。
今回は、現状を見つめ直す視点として「3つのワーク」をご紹介します。改めて、今の自分が本当に望むことは何かをしっかり感じ、今の自分を理解することで、今の自分が本当に望む現実(環境)へ変えていくきっかけになると思います。ぜひ最後まで読んで取り組んでいただきたいと思います。
動機に基づく行動によって、結果は自動的に決まる
今住んでいる家、やっている仕事(職場)、パートナーは、すべて過去の自分の「動機」をもとに選択と行動を重ねてきた結果です。「自分の意思で選んだのではない」と反論したくなるような現実も、深掘りすると、きっかけはすべて自分の動機にあります。
- 「こんな家に住みたい」
- 「こんな仕事をしたい」
- 「こんな人と一緒に生きていきたい」
それはなぜか?
ただ純粋に「これがいい」と思って行動すると、そこにどんな試練や結果が現れても、「これがいいと思って、これをした」という経験が残ります。逆に、「〇〇が△△(不安・怖い・苦手・苦痛・嫌い)だからこうしたい」という動機に従って行動すると、△△を避けたつもりが、△△の苦悩に一喜一憂しながら生きるという経験が残ります。結果的に、△△を避けて生きることはできないという経験が残ります。
世の中には、自分の意思でコントロールできることと、できないことがあります。その両者を見分けることがとても重要です。「あの人がこう言ったから、私はこうした」「△△を避けたいから、私はこうした」というのは、他者や自然原理という自分の意思でコントロール不能なものに、自分を従わせてしまったということです。私達が選択できるのは「動機とそれに基づく行動」であり、物事の結果をコントロールすることはできません。全力で何かをしたとしても、結果は自分で決めることができないのです。
コントロールできない結果ではなく、人生の中で行うあらゆる選択と決断の元となる「動機」を探ることで、今の現状がその望みどおりの結果であることに気づきます。もしも今、「こんな家に住みたくない」「こんな仕事したくない」「こんな人と一緒にいたくない」と感じているとしたら、その選択をした時の動機を見つめ直すタイミングです。当時の動機は、今の自分にはもう必要がないかもしれません。自分しか知らない本心にこそ、現状を作り出したきっかけがあります。
「自分を知り、自分を尊重する」ことから始める
人が何かを本心から強く望んだとき、選択と行動を大きく変化させます。だからこそ、「本心から何を望んでいるか」はとても重要です。本心は自分の意思で変えられるものではなく、自然と自分の中から湧いてくるものです。
もし、普段から自分のことを後まわしにしたり、自分の意に反した行動ばかりしていたり、自分の心身に関心を向けなかったり、セルフケアを怠ったりすると、この本心は思いもしない方向へ暴走していくこともあります。例えば、過食、依存(買い物、アルコール、タバコ、ギャンブル、性など)、ゴミ屋敷、自傷行為、クレーム、暴言暴力、犯罪なども、満たされない本心が暴走した結果だと私は感じます。
「自分を知り、自分を尊重する」とは、毎日、自分自身の感情をありのままにしっかりと受け止める、その感情に従って生きるということです。「AかBならAがいい」「やりたくない・やってみたい」「食べたくない・食べたい」「悔しい、悲しい、嬉しい、腹が立つ、苦しい」等といった感情を、自分自身が尊重するということです。周りを無視して、好き勝手やりたい放題するという意味ではありません。誰かに自分のことを尊重してもらう前に、自分自身が一番に自分を尊重してあげるということです。
自分を知り、自分を尊重するためには、まず①環境(住まい、職場、家庭、交友)と②心身(食事・睡眠・運動)を整えて健全にしていくことがとても大事です。そこにゴールはありません。環境や食事は、想像以上に私達に大きな影響を与えます。悪いものを取り込めば、徐々に悪い状態になっていくのが自然です。
自分を尊重する際に注意したいのが、「物事を損得やコスパだけで選ばない」という点です。最近では、グルメや宿泊情報の口コミ等を読んでいても、コスパを重視する人がかなり増えていると感じます。損得やコスパを重視した結果、「損したor得した」「コスパが良かったor悪かった」という結果に一喜一憂し、結局自分は何を経験したかったのか?という大事な部分が抜け落ちてしまう。人間は、損得のために生きているのではありません。
大事なことは、限られた人生の時間の中で「今、私はどうしたいのか?何を経験したいのか?どんな感情を感じてみたいのか?」という自分軸。仮にうまくいっても行かなくても「私がやってみたかったからやった」という経験が残ります。失敗や不満の原因を、他の誰か(何か)のせいにすることはなくなります。その結果、あらゆる不満を感じることが少なくなります。
それでは次に、自分を知るためのワークを3つご紹介します。具体的なキーワード例も書いていますので、参考にしながら自分自身の本音と現状に向き合って、自分を知るきっかけにしてみてください。誰かに見せるわけではないので、「こんな理由は恥ずかしい」など考えず、ありのままの本音と向き合ってみましょう。
ワーク①:今の家に住んでいる動機
Q:今住んでいる家に満足していますか?どんな不満を感じていますか?今の家を選んだ動機は何でしょうか?
- 場所
- 周辺環境
- 外観
- 内装
- 間取り・広さ
- 家賃、価格
- 眺望
- リセールバリューが高い
- 見栄
- 実家住まい
- 親から譲り受けた
- 家族の希望・都合
Q:その動機を重視したことによって、何を得たかった(感じたかった)のでしょうか?自分の本音と向き合って、動機を深掘りしてみましょう。
- 安心・安全・快適
- 経済的自由
- 承認欲求
- 他者評価
Q:これらの動機は、今のあなたの暮らしを満たしてくれていますか?上記以外に、今自分が「家」に望むことは何かを深掘りしてみましょう。
- コンパクトで機能的な住まい
- 好きな街の便利な駅近暮らし
- 夫婦2人が毎日会話しやすい広さ
- 毎朝庭や畑で家庭菜園をする暮らし
- 静かで眺望の良い部屋で読書をしながらゆったり過ごす
- 自然に囲まれた暮らし
- 自由なひとり暮らし
- ご近所さんと毎日ゆるく関わる暮らし
Q:上記を叶えるために、今日できることはありますか?1つ実行してみましょう。
ワーク②:今の仕事を始めた動機
Q:今の仕事に満足していますか?やりがいはありますか?どんな不満を感じていますか?今の仕事(職場)を選んだ動機は何でしょうか?
- 給料
- 職種
- 業界(業種)
- 社会的知名度
- 会社の安定性
- 社会貢献
- 幼い頃からの夢
- 自宅から近い
- 勤務条件(時間、在宅、休日、福利厚生)
- 社長の人柄、社風
- 世間体
- 家族や友人のすすめ
- 先代からの後継ぎ
Q:その動機を重視したことによって、何を得たかった(感じたかった)のでしょうか?自分の本音と向き合って、動機を深掘りしてみましょう。
- 経済的に安定した、安心とゆとりある生活がしたい
- 周囲へ優越感を感じたい
- 幼い頃からの夢だったから、やってみたかった
- 家庭の時間を最優先したい
- 親を安心させたかたった
Q:これらの動機は、今のあなたの仕事時間を満たしてくれていますか?上記以外に、今自分が「仕事」に望むことは何かを深掘りしてみましょう。
- 直接お客さんと会話して、喜んでくれる顔を見たい
- 目の前の人を楽しませたい
- 文章、絵、作品を通じて人に感動を届けたい
- きめ細やかな心配りで、人を安心させたい
- 悩み苦しむ人の痛みをケアしたい
- 地域を巻き込んで地域をもっと活性化させたい
- 子供達が安心してのびのび暮らせる街作りをしたい
- 好きな料理をたくさんの人にも食べてもらいたい
- 得意なピアノで人の心を癒したい
- 正確な作業で組織の安全をサポートしたい
Q:上記を叶えるために、今日できることはありますか?1つ実行してみましょう。
ワーク③:今のパートナーと一緒に居る動機
Q:今のパートナーと一緒に居る動機は、元々どんな感情がきっかけでしょうか?どんな不満を感じていますか?今のパートナーを選んだ動機は何でしょうか?
- 人柄・性格
- 容姿
- 年齢(自分・相手)
- 経済力
- 家事力
- 世間体
- 他人や親族の紹介
- パートナーからアプローチを受けた
Q:その動機を重視したことによって、何を得たかった(感じたかった)のでしょうか?自分の本音と向き合って、動機を深掘りしてみましょう。
- 1人では経験できないことをパートナーと一緒に経験したい
- 一人では不安、孤独、寂しい
- 経済的に不自由無く安定した暮らしをしたい
- 自分に無いものを持っていて補完し合える
- 自分を大事にしてくれる人と生きていきたい
- 親を安心させたい
Q:これらの動機は、今のあなたにとっても重要ですか?上記以外に、今自分が「パートナー」に望むことは何かを深掘りしてみましょう。
- 自分が自然体のままで一緒に居られる相手と暮らしたい
- 別居でも同居でも互いを尊重し合える関係を作りたい
- お互いに経済的・精神的に自立していたい
- お互いの趣味や交友を尊重し、干渉し過ぎない関係でいたい
- 自分に対して何も要求してこない人と一緒にいたい(「〇〇した方がいい」「こうすべき」「これをするな」等言わない人)
- 自分の弱さや本音を見せ合える関係でいたい
- 何でもない会話を自然に楽しめる関係でいたい
Q:上記を叶えるために、今日できることはありますか?1つ実行してみましょう。
まとめ
自分を知り、自分を尊重することは、自分自身を大事にすることです。それは、他者を大事にすることができるための「基礎」でもあります。家・仕事・パートナーとの関係から、自分自身を見つめ直す時間を作ってみてください。今までよりも、穏やかで満たされた時間が増えますように、そのヒントになれば幸いです。