毎日、同じ場所で同じことの繰り返し、何の感動も無くなって、生きている意味を問い直しているようなら、リゾートバイトを体験してみませんか?最近では、定年退職後のシニア層にも人気だそうです。「こんな世界もある、こんな仕事や生き方もある」という体験が、今の日常を改めて見つめ直すきっかけになり、いつか移住してしまうかもしれません。
今回は、私の実体験を踏まえて、リゾートバイトの魅力と注意点についてお伝えします。ぜひ参考にしていただければ幸いです。
日常生活にマンネリを感じたら、いつもと違う場所で違うことをする
私達は習慣の生き物なので、毎日、毎週、だいたい同じような日常を過ごします。朝何時に起きて、何を見て、何を食べ、どこで何をして、ルーティンとなっている習慣があります。自分にとって良い習慣、満足のいく日常であれば、おおよそ心身が満たされます。
反対に、他人の私生活ばかり気になったり、ああでもないこうでもないとニュースを見ながら批判したり、何か特別なことが起こらないかな?と妄想したりしていると、日常生活に「心ここにあらず」の状態になっていきます。仕事上、こういった人達を多く見てきました。限りある人生の時間、実にもったいないです。
もし今、ご自身が後者に当てはまると感じたら、ほんの少し環境を変えることをおススメします。体験から得られる未知の感動・発見は、日々のSNSやネットでは得られない、かけがえのない経験になります。どれだけ情報を収集したところで、自分が実際に体験すること以上の感動は得られません。
まとまった休みは取れないという方でも、会社員なら1週間位の休暇を取ったり、子育てが無い場合は家事をしばらくパートナーに任せたり、一人暮らしなら気兼ねなく1ヶ月間程トライしてみるのもいいかもしれません。
リゾートバイトの魅力
私は10代~30代まで、単発~長期を含めていろんなリゾートバイトを経験しました。旅館のレストラン、民宿業務、宴会場、掃除、居酒屋など、様々な仕事と遊び、出会いを経験した中で、以下のような魅力があると感じています。
- 現地の人達との出会い、異文化や初めての体験や感動によって、価値観・世界観が広がる
- 大自然の中で自分と向き合う時間が取れる
- 休憩時間や休日に観光を楽しめる
- 掃除習慣が身につく(職種による)
特に、都会育ちの私にとって、大自然の田舎で生活をするということは、まるで外国に一人で放り出されたような孤独、不安、感動、楽しさ、癒しの連続でした。一生の中で経験できて、本当に良かったと思っています。また、仕事として掃除をするという経験はとても勉強になり、後々普段の私生活にもとても役に立ちました。
「リゾートバイトって、若い人しかしないんじゃない?」
「心身ともにキツイんじゃない?」
「馴染めなかったらどうしようか不安・・」
もしこんな不安を抱えつつも、少し興味があるという方は、まずは小さく始めてみてください。例えば、物理的に近いエリアで単発(土日祝のみ等)のリゾートバイトを体験してみて、まとまった休みを取れるようになれば、少しずつエリアを拡大したり期間を延ばしていくのもいいと思います。週末旅行のような気分で働けるかもしれません。
リゾートバイトをする際の注意点
リゾートバイトをする際に気を付けたい点を、実体験をもとにご紹介します。あくまで個人的な体験に基づくため、すべての人には当てはまりません。ご参考程度に、ご自身の希望や条件を明確にしてみてください。
①一人で行く
友人や家族と一緒に行くと、静かにじっくりと自分と向き合う時間が取りづらくなります。二人だと感じないことも、一人だと痛いほど感じることもあります。自分だけでなく、相手のニーズを尊重する必要も出てきます。リゾートバイトの醍醐味は、いつもと違う場所で、いつもと違う体験をし、心身で感動すること。そのためには、「いつもの誰か」と一緒ではなく自分一人で行くことが大事です。
②事前に仕事内容の確認・相談をする
リゾートバイトといっても、多種多様な職種があります。勤務先の規模(大企業、中規模、個人経営など)や、地域特性によっても雰囲気は大きく異なります。ご自身の年代、性別、資質・体力、目的、期間によっても、適切なポジションは変わってきます。
小規模な旅館や民宿であれば、様々な業務をマルチにこなす必要があるため、体力仕事が多いです。逆に、ある程度大規模なホテルであれば、フロント、事務、客室清掃等の比較的身体負担が少ない業務の募集があります。
注意点は、繁忙期のスポットバイト(年末年始・夏季休暇期間のみ)は、体力的にハードなことが多いので、ご自身の体力と相談しましょう。私は昔、年末年始1週間程の短期バイト(宴会場スタッフ)で、最終日に倒れて数日寝込みました。
③相部屋は避ける
知らない人との相部屋は、できれば避けた方が安心です。個室完備の寮があるかどうか、事前に確認することをおススメします。理由は、勤務時間や休日のズレ、生活習慣の違い、気を遣い合う等で、リラックスできない場合が多いからです。私も昔相部屋を経験しましたが、とてもストレスを感じました。
逆に、知らない人と出会いたい、会話したい、共同生活をしながら一緒に過ごしたい、という方なら相部屋の方が楽しいと思います。限られた時間を他人と過ごす経験は、年齢を重ねるにつれて貴重な体験となります。
④地方と都会は文化が違うことを理解する
都会育ちの方が地方でお仕事をする場合、いつもとは違う配慮が必要です。小さなコミュニティであればあるほど互いの連携が重要で、よくも悪くもお世話好きな方が多いです。普段「隣にどんな人が住んでいるか知らない」という生活をしていると、少し戸惑うこともあるかもしれません。違いを楽しむ心の余裕を持っていきましょう。
また、見たことのない規模の虫が出ることも多々あります。都会では生息できない虫も、田舎の山ではのびのびと成長しています。私は虫が大の苦手ですが、自宅の中にさえ入らなければ、ある程度は仕方ないと割り切ることができました。徐々に慣れていくものですね。
⑤雇用条件を確認する
リゾートバイトは、大きく分けて①直接雇用、②派遣、③業務委託の3つの雇用形態があります。「リゾートバイト」でネット検索して上位に出てくるサイトは、②派遣元会社の情報が多いです。様々な求人情報が載っているので、まずはざっと目を通してみるのもいいと思います。①直接雇用の場合は、エリアや求人情報で検索し、自分で直接応募することになります。③は比較的少ない形態です。
①②いずれにも長所・短所があり、②の方が時給単価が高い場合が多く、「週末のみ」「単発」「日払い・週払い」等のニーズにも対応可能な案件が多いです。稼ぐという目的でリゾートバイトをするよりは、多少時給単価が低くても、働きたいエリアで相談や条件交渉をしながら探してみるのがいいと思います。自分の希望条件に合ったバイト先がなかなか見つからないという場合は、まず派遣会社へ登録・相談してみるのもいいと思います。
事前に確認・相談する条件として、勤務期間、仕事内容、時給・日給、休憩、休日、食事、赴任交通費、勤務開始日などがあります。何を譲れて何を譲れないのか、事前にある程度はっきりさせてから応募すると、お話もスムーズに進みます。
一度チャレンジしてみようかな?と感じられたら、今がチャレンジのタイミングです。一度きりの人生、今日が一番若い日、「経験しておけばよかった」と後悔する前に、元気な今こそチャレンジしてみましょう。この体験が、皆さんにとって自分を大事にする時間になることを願っています。