マンションの高層階に住んでいたり、ゴミ出し指定日時に出せなかったりすると、ゴミ出しが面倒になってついゴミを溜めてしまうことはありませんか?
最近では、高齢者だけでなく若い世代でもゴミ屋敷化するケースがあり、清掃業者への依頼が増えているそうです。
かつて掃除好きだった人でも、ちょっとしたきっかけが原因で、ゴミ屋敷化する危険があります。傍から見れば危険な状態でも、本人は「そこまでではない、自分は大丈夫」と思っているケースもあります。
社会生活を送る上で、一番安心してリラックスできる場所であるはずの自宅が、なぜゴミに埋もれてしまうのか?
プロの業者に頼むほどではないけど、いつも家の中がモノやゴミでいっぱい・・。今回はそんな人に向けて、モノやゴミを溜めてしまう理由と、ゴミ出しを習慣化するポイントについてお伝えします。
とにかく「こまめに」ゴミ出しする
ゴミ出しを習慣化するために一番大事なことは、自治体やマンションのルールに従って、あまりゴミが溜まっていなくても、とにかく「こまめに」ゴミを出すこと。不要なモノをもらわないこと。このシンプルな行動が、ゴミを溜めないための基本習慣です。
「明日でいいか」「来週でいいか」「また今後でいいか」と先延ばしが重なることで、家の中はあっという間にモノ・ゴミ屋敷予備軍へ。徐々に物量が多くなり、本人が気づかないうちに住まいがモノやゴミで占領されてしまう危険があります。
また、私たちの日常生活は、意識しないとどんどんモノが入ってくる仕組みになっています。
例えば、コンビニで食品を買えば、お箸・お手拭き・スプーン・フォーク・ストローなどがついてくる。コスメを買えば、新商品のサンプルとカタログ・割引券がついてくる。
今すぐ使わないモノを無意識に自宅へ持ち帰ると、その瞬間から「忘れられたモノたちリスト」の仲間入り。時間の経過とともに、「いつの間にこんなにモノが?」となってしまいます。
無意識に入ってくるモノを意識的に断ち、今この瞬間使うモノだけにフォーカスする。まずは1日、日常生活の中で、モノを買うときや無料でモノをもらうときに注意してみてください。「あ、入ってくる」と気づくだけで、不要なモノ=ゴミ予備軍が入ってくる頻度がぐっと少なくなります。
「いつか必要になるかもしれないから・・」といった、未来の不安がモノを入れる原因の場合、自分の中の不安そのものと向き合う必要があるかもしれません。この点については、別記事で発信予定です。
ゴミを溜めてしまう理由
こまめにゴミを出すといっても、それができないから困っているんだという人もいると思います。その理由は、大きく分けて4つ考えられます。
- 現実的理由
⇒指定の日時に出せない(例:夜勤や早朝など不規則な勤務、オーバーワーク、不在がち) - 物理的理由
⇒ゴミ捨て場が遠い(例:マンションの高層階住まい、エレベーターが無い、ゴミステーションが遠い) - 身体的理由
⇒体が不自由で自力でゴミを出すのが困難(例:ケガ、病気、高齢) - 心理的理由
⇒完璧主義、逃避、依存(例:以前ゴミの分別間違いを指摘された、娯楽に逃げてしまう、いつか使えそうなモノが捨てられない)
もし、いずれか又はいくつかの理由でゴミ出しがうまくいかない場合、その根本原因と向き合ってみましょう。そして、それを解決するために後述する具体的な方法を参考にしてみてください。
ゴミをこまめに出すメリット
ゴミをこまめに出すことには、たくさんのメリットがあります。
- 一度に運び出すゴミの量が少なく、心理的・身体的負担が小さい
- ゴミが占領していた分だけ、住まいのスペースを広く使える
- 家の中に放置されたゴミが視界に入らなくなり、無意識のストレスから解放される
- 悪臭の原因物質が少ない状態が続き、家の中が臭くなりにくい
- ゴキブリ、コバエ、アリなどの害虫を防げる
- たまに出せなかったとしても、ダメージやショックが小さい
- 急な来客があっても慌てなくていい
- 大事なモノを失くしたり、誤って捨ててしまうリスクが減る
- 不要なモノが家から無くなり、本当に必要なモノ・好きなモノだけを残せる
- 「自分は清潔な住まいを保っている」という自己効力感が高まる
ゴミをこまめに出さないデメリット
メリットとは逆に、ゴミを溜めてしまうことのデメリットもあります。
- ゴミを溜めるほど搬出時にエネルギーが必要になり、どんどん後まわしになりがち
- エレベーターが無い集合住宅は、ゴミの量が増えるほど搬出時の身体的負担が大きくなる
- ゴミが住まいのスペースを占領し、自由に過ごせる空間が減る
- 家の中にゴミが溜まるほど「ゴミ臭」が染みつく
- ゴミ臭やゴミ袋から漏れた水分が住まいに沈着し、通常の掃除では取れなくなる
(特に料理や食べ残しの生ゴミ、使用済オムツやナプキン、ペットの糞尿・ペットシート) - 在宅中、就寝中もゴミ臭を吸うことで、慢性的に気分が下がる
- ゴキブリ、コバエ、アリなどの害虫が発生しやすい
- 「ゴミと一緒に住んでいるダメな自分」と認知して自己効力感が低下する
ゴミ出しを習慣化する具体的な方法15選
こまめなゴミ出しを習慣化するために、具体的な方法15選をご紹介します。この記事を読み終わったら、今できそうなことを1つ試してみてください。
- 毎週&毎月のゴミ出しスケジュールを予定表へ入れる
⇒アプリ登録、カレンダーへ書き込み - 自治体ごと、マンションごとのゴミ出しルールを確認する
⇒独自の分別ルール、ゴミ収集日前日の夜に出してOKかなど - ゴミの分別間違いを指摘されたら分別しなおし、次回から正しく分別すればOK
⇒それ以上に自分を責める必要はない - 可燃ゴミの日は、あまりゴミが溜まっていなくても毎回出す
⇒ゴミ袋を小さいサイズに変えれば、3日位である程度溜まる - 分別や出し方が分からないゴミは、すぐにお住まいの自治体HPで確認するか問い合わせる
⇒自治体の回収料金は一般に低価格。法外な料金を請求する行政以外の悪質業者に注意。 - 「とりあえず」といって床にゴミを仮置きしない
- ニオイ対策のため、生ゴミは水気を切ってポリ袋へ入れてシンクに置いておき、1日の最後に袋を結んでゴミ箱へ捨てる
⇒生ゴミ専用の三角コーナーホルダーなどは、場所をとり掃除の手間が増えるので不要 - ゴミ回収の手間を省くため宅内のゴミ箱設置は最低限にする
⇒ワンフロアの場合、キッチンと洗面所にあれば足りる - 食品トレイやペットボトルは、スーパーに設置されているリサイクル品回収BOXも活用する
- 使えるけど使わないモノは、フリマサイトへ出品する、寄附する、捨てる
- 戸建ての場合、敷地内にゴミ箱やゴミステーションを設置して、こまめにゴミを出す
- 指定日時にゴミが出せない場合、24時間ゴミ出しOKの家へ引っ越しを検討する
- 身体的な理由の場合、行政や民間サービスを調べて相談・活用する
- 「いつか必要になるかもしれない不安」と向き合う、本当は何が不安なのかを深掘りする
- 外出先で出たゴミは、できる限りその外出先のゴミ箱に捨てる
番外編:ゴミ出しができないほどオーバーワークをしている現状と向き合う
まとめ
今回は、こまめなゴミ出しを習慣化し、住まいのニオイを快適に保つ方法をお伝えしました。
ポイントは、①「こまめに」ゴミを出すこと、②不要なモノをもらわないこと、の2点です。
これまでの仕事上、数多くの住まいを訪問してきた中で、モノやゴミに占領されて身動きが取れなくなってしまった人をたくさん見てきました。
立派なお家なのにもったいない、せめて家事代行を使えばいいのに、なんとかしてあげたい、という葛藤に悩んだ日もあります。
住まいの快適さは人それぞれ。ただ、ゴミに埋もれた住まいを心底快適だと思う人はほとんど居ないはず。捨ててしまえばラクだと分かっていても捨てられないモノ、面倒で後まわしにされがちなやっかいなモノ、頼んでもいないのに舞い込んでくるモノ、私たちはいろんなモノをコントロールする力を試されているのかもしれません。
もしこの記事で1つでも参考になることがあれば、簡単なことから試してみてください。「こんなことで?」と思うほど小さな積み重ねが、習慣を作り、住まいの現実を変化させ、心身にとても良い影響を与えてくれるはずです。
みなさんの住まいが、今よりもっと快適な空間になりますように。