はじめに
家が片づかず、掃除が行き届かない。
毎日一番長く過ごす場所なのに、リラックスできない。
自分以外の家族が散らかすたびに、だんだんやる気もなくなり、そのうち気にしなくなる。
現状を直視できず、収納の中に収納グッズを押し込める。
自分に「掃除や片づけができない人」というレッテルを貼って、自虐的な冗談で自分自身を責める。これまで私は、そんな女性にたくさん出会いました。
そのたびに、少し悲しい気持ちになります。
今回は、掃除や片づけが後まわしにしてしまう理由と心身に与える影響、掃除を通じておこなうセルフケアの考え方をお伝えします。
片づけや掃除が後まわしにされる理由
やらないといけないと感じつつも、後でいいか、今日はいいかと後回しになる。
次の休日こそはと思うものの、つい自分を楽しませてくれる娯楽へと手がのびる。
その判断は一瞬で、ほぼ無意識に行われています。
片づけや掃除が後まわしにされる理由は、
・疲れていてそれどころではない
・しなくても生きていけるので優先順位が低い
・貴重な時間がもったいない
・しても誰からも褒められない
・「女性のやらされ仕事」に抵抗している(夫婦間で妻の役割だという暗黙の了解、女性ならできて当然だという他人の価値観など)
・やるからには徹底的に完璧を目指したい
・やり方が分からない
・そもそも気にならない(という人はこのブログを見ていないですね)など
たとえ今この瞬間、掃除や片づけをしなくても、ゴミや汚れを取り除かなくても、不要品を手放さなくても、誰にも迷惑をかけない。確かにそのとおり。
ただ、家の中の不要なモノや汚れは放っておくと日々確実に蓄積し、住まいの機能を少しずつ低下させ、無意識のうちに自分自身に静かなダメージを与え続けてしまうのです。
その結果何が起こるのか?
・モノを探す時間や忘れ物が増える
・家にあるのに同じモノを買ってしまう
・予定しない急な来訪者にストレスを感じる
・イライラすることが増え、パートナーシップに問題や悩みを抱える
・空虚感を埋めるための衝動買いが増える
・家中の空気が停滞して独特のニオイが漂い、モノやホコリ、汚れが蓄積して住空間を占領する
・健康に気を使わなくなり、体型が崩れ、肌が荒れ、病気しがちになる
・外に出たり人に会うのが面倒になる など
どれも、かつて『モノ屋敷』で育ち、さまざまな生きづらさを抱えてきた私自身が経験したことでもあります。
もしいずれかに心当たりがあれば、「もうちょっと私を大事にしてよ」という、自分自身からのメッセージかもしれません。
住まいの状態は自分自身の鏡
前々から悶々としていたこと、仕事や家事、パートナー、健康、お金、あらゆる不満や悩み解決の前にまず向き合うべきは、今の自分自身の状態、本心です。
その手がかりとなるのが、今の住まいの現状を直視することです。
モノが多いのか、どんなモノが多いのか、散らかっているのか、汚れているのか、どこがどれほど汚れているのか、狭すぎるのか広すぎるのか、部屋数が足りないのか余っているのか、収納が足りないのか、生活動線がスムーズじゃないのか、騒音が気になるのか、湿気が多いのか、臭いのか
改めて自分自身に「住まいの不満」を聞いてみてください。時間をとって、ひとつひとつ紙に書き出してみてほしいのです。
「自分が本当に望むことは何か?」にフォーカスして、本心に素直に、まず住環境を整えていく。その作業過程のなかで、一見関係がなさそうなことにも変化が表れはじめます。
誰かに見せるためではなく、誰かの理想の住まいを作るためでもなく、ただ自分が快適で安らげる場所にしていくこと。そのための最初のステップが、一番身近で一番影響力の大きい「住まい」を整えることなのです。
片づけ掃除は最高のセルフケア
スッキリ整った清潔で快適な住空間は、日々の疲れを癒し、心身を穏やかにリラックスさせてくれます。ただボーっと過ごすだけでも心地いい。
本当は捨てたいのに捨てられなかったモノを何か1つ手放したり、汚れやゴミを1つ掃除したりする日々の積み重ねが、そこに暮らす自分自身を労わる最高のセルフケアになります。お金もかかりません。
今日からほんの少しの時間を、自分を大事にする「そうじのじかん」にしてみませんか?