自分を知る一人旅のじかん

自分を大事にする時間

一人旅と聞いて、孤独とか寂しいというイメージを抱くことはありませんか?いつも誰かとワイワイ過ごしたい人にとっては、この上なく寂しい時間に感じるかもしれません。

実は一人旅のじかんは、孤独や寂しさを超えたところに初めて、気づきや感動に出会えるチャンスがあります。今回は、これまでたくさんの一人旅を経験してきた管理人が、その醍醐味をご紹介します。



一人旅をしたくなった時、自分の中で何が起きているか

同じような毎日、変えたいけれど変えられない、逃げたいけれど逃げられない、もうこんな日常はうんざり。休みたいのに休めない、離れたいのに離れられない、もうこんな現実はうんざり。私の場合、こういった感情がある日限界に達して爆発したときに、10代で生まれて初めての一人旅を経験しました。

日本地図を見て、自分の生活圏から何百kmも離れた土地を訪れました。今とは違って、ナビを片手に歩くということはできず、紙の地図を上下左右に回転させながら、知らない土地を旅しました。事前情報もほとんんどない状態で、まるで外国に来たような不安を感じたのが忘れられません。今となっては、それが逆に良かったと思っています。

にぎやかな日常生活を離れ、海沿いの静かな観光地でのんびり過ごした時間。目的なく歩き、海を見て、波の音を聞きながら昼寝をして、知らない人とも挨拶を交わす。「なんて人間らしい時間だ」と、体じゅうの力が抜けて心身が解放されていきました。このとき、一人旅をした理由が初めてわかった気がしました。

それ以降、たくさんの出会いや経験を重ねながら、辛いとき、迷うとき、悲しいとき、癒されたいとき、お祝いしたいとき、その時々で一人旅のじかんを作っています。それは結婚してからも変わりません。一人旅の時間は、私にとっては「自分を大事にする時間」でもあるのです。



一人旅の醍醐味は年々変化する

昔、一人旅をしたことがない友人に「一人で旅して何が楽しいの?」と真剣に聞かれたことがあります。その友人は、一人で何かを楽しむことが苦手で、四六時中スマホを手放せず、いつも他人と自分を比較しては一喜一憂し、気ぜわしく過ごしていました。本当は、そんな人にこそ一人旅のじかんを体験してほしい気持ちでした。

一人旅の醍醐味は、現地の人達との出会い、交流、価値観、海や山でのアクティブ体験、読書、瞑想、食事、温泉、文化など数えきれません。いろんな経験を通じて生まれた感動が、凝り固まった心身を解放してくれました。その中でも、10代の頃に訪れた海岸沿いの小さな町で見た「満天の星空」は、写真を撮らなくても今でも鮮明に心に焼き付いています。

20代の一人旅で経験したことは、30代・40代では経験できないことがたくさんあります。若さゆえに許される失敗もあります。未熟であるがゆえに、こちらが求めなくてもいろんな人達が助け、教え、優しく導いてくれます。自分が居た場所は、広い世界の中の「点」くらい小さな小さな場所であったことを、改めて知ることができたのです。

30代、迷いの多い年代でしたが、ここでの一人旅は20代とは一味違ったものでした。「自分が所属していない地域の社会見学」といった感じで、地域や文化が異なる場所での社会の仕組みに関心を持つようになりました。食べること、働くこと、生きること、それらの真理について一人で探究する時間だったように感じます。

そして40代の今、私にとっての一人旅は「日常に感謝するための時間」へと変化しました。もちろん、星空を見たり、海を眺めたり、美術に触れたり、食事を楽しむことも醍醐味ですが、何より今この日常を離れてみることで感じられる「感謝」を感じるための時間になっています。今でも旅行写真はほとんど撮りませんが、あらゆる感動は心にしっかりと残っています。



一人旅ができない、楽しめない人の共通点

私が今までに出会った「一人旅ができない、楽しめない人」に共通することは、

  • 大勢でワイワイするのが大好き(寂しがり)
  • 社交的、外交的
  • 「静かに自分と向き合う」習慣がない
  • 他人の目を気にしすぎる
  • 目的なくボーっとするのが苦手
  • 自分の判断に自信が持てない

こういった特徴がありました。これらが悪いというわけではなく、一人旅が大好きな私とはどれも正反対であることに気づきます。3人以上で旅行をすると、疲れてしまって何も楽しめなくなる私にとっては、大勢で旅行を楽しめる社交的な人が羨ましくもあります。人それぞれ、ですね。



限られた人生の中で経験できること

毎日同じような日常を過ごし、感動することもなく、1日が過ぎていく。もしも今そんな状況にあるのなら、「明日この人生が終わるとしたら、最期に何を感じるか?」を想像してみてほしいです。「もっとたくさんお金を稼げばよかった」「家を買えばよかった」「いい大学を出ておけばよかった」と後悔する人は少ないと思います。

私達の人生は皆「有限」です。限られた人生の時間をどう過ごすか、何を経験し、何を感じるか。ご縁あって出会えた人達とどんな時間を過ごすか、こういった経験の積み重ねが「最高の人生だった」と満足できるかどうかのカギとなります。

もしも今、悶々とした状況を打破したいと感じていたり、マンネリ化した日常に感動を忘れているのであれば、ぜひ知らない土地で一人旅のじかんを過ごしてみてください。ただ静かに過ごすだけでも、小さな変化を感じられるかもしれません。

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